スペシャリテ

ポール・ボキューズのスペシャリテを食べるために美食家たちが「ポール・ボキューズ」を訪れますが、ポール・ボキューズのスペシャリテとはどのようなメニューなのか非常に気になります。デザートの「クリーム・ブリュレ」はよくレストランのデザートの1品ですがこれも本物の「クリーム・ブリュレ」を是非一度食べてみたいと想像をかきたてられる一品です。

前菜

(1)『オマール海老のサラダ仕立て トリュフ風味 ソース・オロール』:Salade de homard aux truffes, sauce aurore

新鮮なオマール海老と酸味をきかせたオーロラソースの前菜です。

(2) サーモンのマリネ ディルの香り:Saumon Frais Marine a l'Anet

1980年代にパリ8区にある北欧料理のレストラン「コパナーグ」からポール・ボキューズが取り入れたといわれているサケのマリネです。

スープ

(1)『V.G.E.に捧げるトリュフのスープ』 1975年にエリゼ宮にて:Soupe aux truffes noires V.G.E. / Plat crée pour l'Élysée en 1975

V.G.E.はジスカールデスタン大統領の頭文字です。「スープ・エリゼ」または「スープ・ヴェ・ジェ・ウ」とも呼ばれています。

1975年にフランスの料理人として初めてレジオンドヌール勲章(シュバリエ級)を受勲したポール・ボキューズ氏が、その際のエリゼ宮での晩餐会で、時の大統領ヴァレリー・ジスカール・デスタンに捧げた伝説のスープです。

スープ鉢の上面に、懐石料理の「椀」のふたに見立てたパイをかぶせて焼き上げたものです。パイにナイフを入れた瞬間に立ち上るトリュフの香りと、パイ自身の持つ芳香が絡みあうことで独特の効果を上げました。懐石料理をフランスで再現したものともいえる一品です。

(2)『ムール貝のスープ サフランの香り』:Soupe de moules de Bouchot Aux pistils de safran

ブイヤベースに似た魚のスープにたっぷりのムール貝と生クリームを加えたものです。

魚料理

(1)『ルージェ(ヒメジ類の白身魚)のポワレ ジャガイモのクルスティヤンをうろこに見立てて』:Rouget en ecailles de pommes de terre croustillantes

薄くスライスしたジャガイモをきれいに並べてうろこのように見立てたものです。ポワレはムニエルとは異なっていて小麦粉などの粉をまぶしません。元々は肉料理で使われていた調理法ですが、ポール・ボキューズ氏を初めとして最近は魚料理にも使われるようなった料理法です。

(2)『スズキのパイ包み焼き ソース・ショロン』:Loup en croûte feuilletée

フェルナン・ポワンから伝えられた料理で、スズキ一匹を魚の形そのままパイで包んで焼いたものです。ポワンの時代はシンプルなブール・ブランソース(バターソース)が添えられていたといいます。ボキューズは酸味の効いたショロン・ソース(ベアルネーズソースにトマトピューレを加えたもの)を泡立てて使って、この料理を完成させました。

肉料理

(1)『牛フィレ肉のロッシーニ ペリゴール風』:Filet de boeuf Rossini aux legumes de marche, sauce Perigueux

別名は「トゥルヌド・ロッシーニ』:Tournedos Rossini。音楽の巨匠ロッシーニは大変な美食家でもありました。ロッシーニが愛した料理で、オーギュスト・エスコフィエ(Auguste Escoffier)の名著「料理の手引き」(1903年パリ刊)にも作り方が書かれています。

(2)『フォアグラの胸肉包みとモリーユ茸』:Supreme de Volaille au Foie Gras et Morilles

フォアグラをブレス産の鶏胸肉で包んだものです。周りに新鮮なモリーユ茸、下にはわずかにしんなりするまで茹でたホウレンソウを敷いたものになっています。

(3)『ブレス鶏のヴェッシー(豚の膀胱)包み ソース・フルーレット』:Volaille de Bresse en vessie "Mère Fillioux"

風船のように膨らんだ膀胱のなかに、しっとりと火が通ったブレス鶏が入ったものです。

デザート

(1)クレーム・ブリュレ:Crème brulée

「Creme」は「クリーム」または「プディング」「brulée」は「焦げた」の意味になっていて、こくのあるカスタードプディングの表面に砂糖をふりかけて表面をこんがり焼いたものです。スペインのカタルーニャ地方のクレマカタラーナをもとにして、1980年代に今の形にしたのはポール・ボキューズです。2001年に公開されたフランス映画『アメリ』で主人公のアメリが「クリーム・ブリュレ」の表面を削って食べるシーンで有名になりました。

(2)ウ・ア・ラ・ネージュ:Œufs a la Neige 泡雪卵

フランス語で「Œufs」は「卵」で「Neige」は「雪」のことです。「Neige」は卵白を泡立てた状態を表すときにも使います。卵白に砂糖を加えて泡立てたメレンゲに火を通して固めて、クレーム・アングレーズ(Crème Anglaise)に浮かべたものです。ポール・ボキューズの著書で、ポール・ボキューズは祖母に教えてもらったと書かれています。同じようなデザートにイル・フロタント(Île Flottantte:浮島)がありますが、これはクリームにメレンゲをひとつだけ浮かべた盛り付けからきています。

ポール・ボキューズ氏年譜

  • 1926年2月11日・・・ リヨン郊外コロンジュ・オ・モン・ドールで誕生。
  • 1946年・・・リヨンの「ラ・メール・ブラジエ」( 1933年3つ星)オーナー・シェフ: ウジェニー・ブラジエ に見習いに。
  • 1950年・・・ 様々なレストランで修行した後、ヴィエンヌの「ラ・ピラミッド」に入り、フェルナン・ポワンのもとで修業を続ける。
  • 1959年・・・ 生家のレストラン「ポール・ボキューズ(Paul Bocuse)」を継ぐ。
  • 1961年・・・ フランス国家最優秀職人章(MOF)を取得、ミシュランの1つ星を獲得。
  • 1962年・・・ ミシュランの2つ星を獲得。
  • 1965年・・・ ミシュランの3つ星を獲得。
  • 1972年・・・ 辻静雄がポール・ボキューズらを招いて、公開技術講座を開く。
  • 1974年・・・ 辻静雄がフランス料理の研究と日本における正しい知識の普及につとめた功績からMOF名誉賞を受けたときに、ボキューズはトロワグロ兄弟達と来日。辻調理師専門学校で、MOFの料理とはどのようなものかについて講義。
  • 1975年・・・ フランス料理界における功績が評価され、レジオンヌ・ド・ヌール勲章シュヴァリエ受勲。
  • 1987年・・・ レジオンヌ・ド・ヌール勲章オフィシエ受勲、ボキューズ・ドール国際料理コンクールを設立。
  • 1989年・・・ フランス国家最優秀職人(料理・レストラン部門)選抜委員長に就任。
  • 1993年・・・ フランス国家功労賞の受賞。
  • 1994年・・・ リヨンにブラッスリー「ル・ノール」(フランス北西部を中心とした伝統的料理)を開店。
  • 1995年・・・ リヨンにブラッスリー「ル・スュド」(南フランスを中心とした“太陽の料理”)を開店。
  • 1997年・・・ リヨンにブラッスリー「レスト」(フランスから東方への旅の料理)を開店。
  • 2003年・・・ リヨンにブラッスリー「ルウェスト」(フランスから西方への西インド諸島を中心にしたエキゾチックな料理)を開店。
  • 2004年 6月3日・・・ ポール・ボキューズ財団設立。
  • 2004年6月10日・・・ レジオンヌ・ド・ヌール勲章コマンドゥール受勲。
  • 2006年・・・ 「アルジャンソン」開店。
  • 2007年1月21日・・・ ブラッスリー「ポール・ボキューズ・ル・ミュゼ」(東京・六本木、国立新美術館内)開店。
  • 2007年9月1日・・・ ブラッスリー「ポール・ボキューズ銀座」(東京・銀座、マロニエゲート内)開店。
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